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プチ東洋医学講座 ~更年期障害の治療と養生~金子ブログ

こんにちは!豊中市の玄龍堂鍼灸整骨院 鍼灸師金子です。

「女性は7の倍数で成長する・・・」

テレビのCMでもみかけるようになりましたが、この文言の出典は東洋医学の原典である黄帝内経という書物の上古天真論というところにあります。

上古天真論には、女性が7の倍数で成長し老化していく過程が詳しく記載されています。抜粋すると、2×7=14歳位で初潮があって生殖能力が備わり、7×7=49歳位で生殖能力が衰えて閉経を向かえるのだということです。

出生から成長して老衰していくまでの、特に生殖能力に関わる生命力の盛衰を表しているのですね。この生殖能力に関わる生命力のことは一般的には精力という表現を使われると思いますが、東洋医学では「腎精」といいます。

腎の臓に貯蔵される精力ということなのですが、ここで注意が必要なのは東洋医学で腎といった場合には西洋医学でいう腎臓のことを指すわけではないということです。

東洋医学でいう腎とは、身体の成長発育にかかわる力、すなわち歯や髪、骨格を成長させていくための働きであり、足腰の強さや生殖能力に関わる働きであり、身体を適度に温めて体温を正常に保つ働きでもあり、また身体の潤いを保ったり水分を代謝して大小便として排泄するという働きもでもあります。

このような一連の複数の生理的な働き、機能に対して「腎」という表現を使います。

その腎を機能させる「気=生命エネルギーの大元」を腎精といい、この腎精の盛衰を女性の場合は7の倍数で表しているわけですね。

もちろん個人差はありますが、7×7=49歳位で腎精が衰えてくると、腎に関係する一連の生理機能の低下がおこってきます。

この腎精が衰えてくる時期を一般的に更年期といい、腎の生理機能が低下することによっておこる様々な症状が更年期障害ということになります。

腎精の衰えは生理的なものではありますが、腎精の衰え方がひどい場合は、腎の機能低下が顕著に現れ、更年期障害の症状に悩まされることになります。

症状として多いのは、のぼせやほてり、これはホットフラッシュと言われます。それから、頭や顔に発汗したり、動悸、頭痛、めまい、不眠、肩こり、腰痛、不安、鬱症状等がおこります。

腎精が衰えてくると、身体を温める力と潤す力のバランスが崩れてきます。特に身体を潤す力が弱った場合、相対的に身体を温める力が強くなり、その結果、身体が熱くなったりほてったり等の症状をおこしやすくなり、その余分な熱が心臓に影響すると動悸や不眠がおこります。

また腎はのぼせた気をひきおろす役割も持つため、腎の機能が低下すると、気が上へ昇りやすくなり、のぼせた状態や頭痛、肩こりがおこりやすくなります。

体質的に気ののぼせが元々きつい方は更年期を境にこのような症状がでやすいタイプといえます。

さらに腎精が衰えることで足腰が弱くなり腰の重だるさや痛みがでたり、ひどければ歯や骨の弱りが顕著になり骨粗鬆症のような状態になってしまいます。

このような一般に更年期障害といわれる症候群は、東洋医学的にいえば、大元には腎精の衰えによる腎の生理機能の低下があるということですね。

更年期障害の原因が腎精の衰えとはいえ、虚衰していくこと自体は生理的なものなので防ぐことはできませんが、養生や治療によって病的な弱りを改善したり、衰え方をなだらかにして不快な症状をやわらげてあげることはできるのです。

養生としてはやはり足腰を鍛えておくことです。だからといってなにも足の筋トレをする必要はなくて、患者さんに推奨しているのがぶらぶら散歩することです。

歩いて足腰を動かすことは、腎の働きを活性化することにつながります。また手足を動かすことは胃腸の働きを活性化させますし、ある程度全身の気の巡りをよくして気の停滞を除くという効果があります。あまりノルマを決めず、重い荷物も持たずにぶらぶらというのがポイントです。

食べものでは気がのぼせるような食材はあまりとり過ぎないほうがよいでしょう。例えば、ニラ、にんにく、春菊、さくらんぼ、ピーナッツ、コーヒー等のカフェインを多く含むものですね。

実際に、にんにくをよく食べていていつものぼせるという方がいらっしゃいましたが、食べるのを控えてもらうとそれだけでのぼせに改善がみられたこともあります。

それから黒豆、山芋、栗等は腎の精力を高める食材として有名です。食べたからといってすぐに腎の機能低下が改善するわけではありませんが、これらは少しずつでも食べ続ける習慣ができればよいでしょう。

以上のような養生はしておくことに越したことはないんですが、それでも更年期障害の不快な症状がおこってつらいという方は、鍼灸治療によって腎の働きを高めることが必要です。

身体を潤す働きを高めたり、のぼせた気をひき降ろしたり、余分な熱をさましてあげたり、状態に応じた処置をすることで不快な症状をやわらげていきます。

日本人女性の寿命は世界一、更年期後30年以上も元気に生きていくためにはこの更年期という時期を健やかに乗り越えていくことも大切なのではないかなと思います。

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