プチ東洋医学講座 ~体質・地域・気候と病気のほんとうの関係:後編 上の巻~金子ブログ
また、同じ地域においても四季の移ろい、気候の変化というのも病気や体の状態に大きな影響を及ぼします。
暑い時期は内熱体質の人の体調や病気は悪化しやすく、寒い時期であれば、陽虚体質の人の体調や病気が悪化しやすくなります。
湿度が高い時期であれば、余分な水気・湿気をこもらせている人の体調や病気が悪化してきます。
また、春は気が上にどんどん昇っていく時期にあたるので、元々気が上に昇りやすい人は春先に体調に異常をきたしたり病気を悪化させたりしやすくなります。
例えば、暑い時期に内熱体質の人の体熱が助長されて、手や足に湿疹ができたり、アトピー等の皮膚病が悪化したりすることがあります。リウマチが湿度の高い時期に悪化したりする場合は、余分な水気・湿気がこもっているからです。春先にアレルギー症状がでるのは、気が体の上部に昇りすぎることが原因と考えられます。
そのような場合東洋医学では、内熱体質の人には夏になる前に内熱を抜いておいたり、水気・湿気をこもらせている人には梅雨が来る前に水分代謝をよくしておいたり、気が昇りやすい人には春になる前に気を引き下ろすような処置をしておくというように、気候や季節の変化に応じた対応をしていくのです。
そのため、東洋医学を専門にする医者は、患者さんの現在の状態はもちろん、これまでその人が作ってきた体質に加えて、月齢や二十四節季等の自然の移ろいにも注意を払っていくのですね。
つづく