プチ東洋医学講座 ~デトックスの鍼(瘀血編):中編~金子ブログ
瘀血が過剰に形成され、その排出がうまくできなくなると、軽いものでは、五十肩や女性の生理痛等の原因になってきます。
そのほか、子宮内膜症、卵巣嚢腫等の婦人科疾患や、重い病気では狭心症や心筋梗塞の発作にも関与し、意外にもアルツハイマー等の認知症にも瘀血が関与することがあるといわれています。
また、胃癌、肺癌、大腸癌等の固形癌の形成にも瘀血が深く関与しています。
ただし、瘀血も他の邪気と同様に、誰しも程度の差はあれ多少なりとも持っているものですし、通常はうまく排出されたりしているものです。
ところが、瘀血の形成が促進されるか、あるいは瘀血の排出がうまくできなくなるかすると、やはり体内に過剰に瘀血がこもってくることになります。
そうすると、舌の色がやや暗い紫がかってきたり、舌に暗い紫の点々がでたり、舌の裏の静脈が太くなったりしてきます。お腹では下腹の横のあたりを押すと痛みが出てきたり、ゴリゴリしたしこりができたりします。
また、毛細血管が糸ミミズ状に浮いてくる細絡(さいらく)がでてきたり、場合によっては、肌膚甲錯(きふこうさく)といって、皮膚が肥厚して色が黒くなり、がさがさの鱗のようになってきたりすることもあります。さらに、女性であれば生理の時に血塊が多く出るようになったりします。
これらは瘀血が体内に形成された際にみられる典型的な兆候ですが、このような典型的な兆候が素直に現れない場合もあるため、実際の診察では典型的な兆候の有無と共に、問診による情報や、脈、ツボの状態から得られる情報を合わせて診断していくことになります。
つづく