プチ東洋医学講座 ~デトックスの鍼(熱邪編):前編~金子ブログ
最近、リラクゼーション等で「デトックス」という言葉がよく使われますが、今回から「デトックス」というものについて、それがどういうものかということを、東洋医学の見地から解釈して、わかりやすく解説してみたいと思います。
東洋医学ではデトックスという言葉は使いませんが、一般的にデトックスといった場合には、毒素を体の外へ排泄するということを意味するのではないかと思われます。
では、毒素とは一体何なのでしょうか。
なんとなく悪いものというイメージはつかめますが、それが一体どういうもので、それがあるとどのように体に悪影響を与えて結果としてどのように病んでいくのでしょう。また毒素が体に悪影響を与えているかどうかを知る術(すべ)はあるのでしょうか。
ここでまず、毒素が何であるかを考える前に、健康な体の状態を考えてみます。
東洋医学でいう健康とは、気や血、つまり気血という生命エネルギーが体に充満していて、それが滞ることなく全身に巡り、その過程で出るエネルギーの老廃物等を体外に全て排泄することができるということなのです。
つまり、体にとって必要なエネルギーを生成し、それを循環させ、最後に排泄させるという基本的な体の働きがうまく機能しているということです。
ところが、健康にとって必要不可欠なこの一連の働きが悪くなっていく事が多いのも事実です。
例えば、気血を循環させる働きが停滞及び低下した場合は、本来巡るべきエネルギーが淀むことによって、気が「邪気」になることがあります。
東洋医学でいう「邪気」というのは、気や血等のエネルギーが滞って、体にとって有害な状態になったものの総称です。
このように、新陳代謝の結果において生じた老廃物はもちろん、東洋医学でいうところの「邪気」というものが、いわゆる毒素といわれるものに相当するのではないかと考えられるのです。
つづく