プチ東洋医学講座 ~デトックスの鍼(熱邪編):中編~金子ブログ
邪気にもいくつかの種類があるのですが、その中の一つに「熱邪」というものがあります。
正常な気というのは温かいエネルギーなのですが、日頃のストレスや不摂生によって、気の流れが滞って淀んでくると、体にとって余分な熱エネルギーになってしまうのです。この余分な熱を、東洋医学では熱邪という概念で捉えていきます。
滞りなく気が流れてくれていれば問題ないものを、流れが滞って気が熱邪に転化してしまうと、体にとっては有用どころか非常に有害なものになるのです。
以前、『プチ東洋医学講座 ~アトピーって温病?~』で少し解説しましたが、熱邪がどのように有害かというと、炎症によって正常な体の生理活動を邪魔したり、あるいは体の生理機能を過剰亢進させたりしてしまうのです。
例えば、熱邪が心臓に影響した場合、心臓の拍動が過剰亢進して動悸してみたりします。運動した後に体がほてって脈拍が上がっている状態が、心臓に限局しておこっているようなものですね。ひどければ、心臓に関わる気や血の流れを邪魔して、胸の痛みをひきおこす場合もあります。
わかりやすい一例を挙げましたが、その他発熱、肺炎、喘息やアトピー等のアレルギー疾患や、子供の手足口病、りんご病、風疹等いろいろな病気に熱邪が関わっているのですね。
また、熱邪にも浅い段階と深い段階という区別があるのですが、熱邪が深いといわれる段階になると、打ち身のようなアザや斑疹がでてきたり、皮下出血や不正出血、血便、血尿等の出血症状を出し始めます。
このような熱邪という毒素は、病院の検査で画像や数値にはできませんが、体内に熱邪がこもると、脈や舌、ツボ等の状態に病的な反応がでてきます。実際には程度の差はあっても誰でも持っているものではあるのですね。
つづく