身体を良くするメンタリティ vol.3金子ブログ
「天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ずまずその心志を苦しめ、その筋骨を労し、その体膚を飢えしめ、その身を空乏にし、行なうところ、その為す所に払乱(ふつらん)せしむ。」
『孟子』という書物にある一節ですが、有名なのでご存知の方も多いかもしれません。
意味は、「天がその人に重大な仕事を任せようとする時は、必ず精神的に苦悩を与え、骨身を折らせて、飢えを授け、衣服などについても欠乏させ、その人のする行動は、すべて為すことと反対に行くようにしむける。」ということです。
つまり、あれをやってもこれをやってもうまくいかないようにわざとしむけるというのです。
天がなぜそのようにするかといえば、その本人の心に苦しみを与え、忍耐力を養うことによって、従来本人の不足していた点を補おうと考えているからだそうです。
どんなに恵まれた人でも、長い人生の中で一回や二回は逆境に突き落とされることくらいはあるのではないかと思います。
そんな時は、辛抱することも大切ですが、同時に、苦労をこやしにして自分を磨くことを心がけたいものですね。
それがやがて逆境を乗り越えて、新しい道を切り開いていく力ともなることを忘れてはなりません。
偉人がなしとげるような重大な使命がなくとも、ひとりひとりが人生をまっとうするということもまた、天から与えられた重大な仕事です。
その重大な仕事をなしとげる過程で自分を磨く砥石の役割をするのが、苦難困難等の逆境なのだと考えられます。
磨かれている最中は痛くていやだけど、磨き終わった時には自分の足りなかったところが補われてきっと成長しているのでしょうね。
人生にはしばし病の時がありますが、もしかしたらその病苦は、ただ単に苦しみのための苦しみではなく、これまでの自分の思考習慣や生活習慣を断ち切り、新しい思考や生活の習慣を得て人間として成長しなさいというシグナルかもしれません。
病気も逆境も人生の節目として、苦の中に積極的な意味を見出せるようになりたいですね。