プチ東洋医学講座 ~デトックスの鍼(湿痰編):中編~金子ブログ
湿痰が体内で盛んになる一番大きな原因は、飲食の不摂生です。具体的には食べ過ぎ飲み過ぎ、早食い、食事時間が不規則、お酒や油っこいものや味の濃いもの、高カロリーなものの過剰摂取です。
東洋医学では、体の水分や物質の代謝を行なう働きのことを「脾の臓」といいます。胃や腸を含む消化器系統や水分代謝等の、物質を代謝する働きを指しますが、飲食の不摂生をすると、この脾の臓の働きである物質を代謝する働きが低下していきます。つまり、体の水はけも悪くなるのです。
また、飲食の不摂生をしなくても、湿痰というものは、体のエネルギーを生成・循環していく過程で、ある程度生じてくるものではあります。
通常そのような湿痰は、大小便や発汗、痰や女性のおりもの等の形で排出されているものなのですが、何らかの原因で排出させるための体の働きがうまく働かなくなると、当然体内に余分な湿気や水気、つまり湿痰がこもってくるわけですね。
ゆえに、食養生をしておくことや毎日お通じがあること、適度に発汗すること等は、湿痰をこもらせないための基本になってくるのです。
そのような養生がうまくできず、湿痰を排出する体の働きがうまくいかないと、脈や脾の臓に関係するツボに病的な反応が現れます。
さらに、一般の方でも比較的わかりやすい診察法としては、「舌診」があります。
湿痰がある場合、通常は舌の上に苔が生えてきます。舌上の苔は、健康状態でも白い苔がうっすらと生えているものです。これを薄白苔(はくはくたい)といいますが、体内で湿痰が盛んになるとこの白い苔が非常に分厚くなってくるのです。これは見れば誰でもわかることなので、毎日自分で苔のチェックをすることもできますね。
もし大いに体内に湿痰をこもらせてしまった場合、自分で養生を行なうことによって改善できればよいのですが、それができない場合はここでやはり鍼の出番になるのです。
つづく