プチ東洋医学講座 ~「東洋医学の身体観」五臓六腑は大自然?:前編~金子ブログ
以前、養生法の基本について解説した際に、複雑な内臓の働きは、生命エネルギーである気血を生成し、生成した気血を循環させ、使用していらなくなったものを排泄するという「生成」、「循環」、「排泄」の三つの働きに集約されると解説したことがあります。
今回はこれらの東洋医学的な生理機能の捉え方を、例えを使ってわかりやすく解説してみたいと思います。
ではさっそくですが、まずは人間の身体を、大地と川に見立ててみます。
私達が毎日元気で機嫌良くすごすためには、人間の身体に見立てた大地と川が動植物を生息させることができる環境である必要があります。もし、大地と川が作り出す環境が、動植物の生息が困難な環境であるならば、私達自身の体調も病気がちで快調ではないということになります。
それでは、いったいどのような環境が、健康に機嫌良くすごすための理想的な環境なのかひとつずつ考えてみます。
まずは、身体には生命エネルギーである気が十分になければなりません。
これは、自然に例えると、川の水が十分に満たされているということです。気がないと生命活動がおこらないように、十分な水がないと大地を潤せませんし、そもそも動植物が生息できません。ゆえに、水源が枯渇しないように、常に適度に雨が降って水の供給がなされていなければなりません。これが気血の「生成」にあたる部分ですね。
そして、十分な気があっても、しっかり巡っていなければ、せっかくのエネルギーを使えていないようなもので、結局、健全な生命活動を維持できないのです。
つづく