プチ東洋医学講座 ~「東洋医学の身体観」五臓六腑は大自然:後編~金子ブログ
古来より東洋思想は、大自然の営みが健全に維持されるための正常なサイクル、法則性を、陰陽論という思想で理論化しました。
その陰陽論を人間の身体に応用して、健全な生命活動を維持するためのサイクル、法則性というものを理論化して体系づけられたものが東洋医学なのです。
そして、人体の中で、そのような自然の営みを維持する機能に相当するのが、東洋医学の「五臓六腑」といわれるものです。
五臓六腑とは、肝、心、腎等の五つの臓と、胃や大腸、小腸等六つの腑のことを言います。
身体の中の働きを大きく分けると五つの臓と六つの腑に分けられてしまうのですが、これらの臓腑がそれぞれ役割分担をしてやろうとしていることは結局、生命エネルギーを生成して、それを淀みなく流して、不要なものを排泄するということなのですね。
一言で言えば、すべてを淀みなく流していくということでしょうか。
そのような生命エネルギーが流れる法則性を、東洋医学では、五臓六腑に分けて説明しようとしたのですね。
そして、鍼灸や漢方薬で肝や腎等の臓の治療をしたり、胃や膀胱等の腑の治療をしたりしているのも、結局は気血の生成・循環・排泄を正常化させることを目的にしているのです。つまり、すべてを淀みなく流していくためなのですね。
東洋医学は自然界の法則である陰陽論を人体に応用しているために、人間を大自然の中の小自然というふうに捉えることもあり、このような考え方は、東洋医学の特徴の一端を示しているように思われますね。
ということで、今回は身体の働きを大自然のサイクルに例えて解説してみましたがいかがでしたでしょうか。たまにはこのような切り口から東洋医学のお話をしてみてもおもしろいかなと思います。