なるほど!THE.・プチ東洋医学講座 ~上工(名医)が未病を治す時、さわやかな風が舞う!編:前編~金子ブログ
こんにちは。玄龍堂鍼灸整骨院の金子です。
鍼灸師の資格を取得して十八年ほどになりますが、長いこと東洋医学をやっていると、経験則的に実感としてなんとなくわかってくることがあります。
特に、健康維持のために継続的に体の調整をさせていただいている患者さんからちらほら言われることなのですが、「梅雨時は日本脱出したいくらいしんどかったのに最近は大丈夫になった。」とか、「そういえば最近あまり体調くずさなくなったわ。」とか、「なんか風邪ひかなくなった。」とか、「気付いたら毎朝のステロイドの吸入しなくなりました。(喘息の患者さん)」とか…
東洋医学の鍼灸治療は、実は生命エネルギーである気を生成して、循環させて、排泄させるという最も基本的な生命活動をうまく働くようにしてあげるものです。
この最も基本的な生命活動が弱ったり、滞ることがなければ、そうそう大病にはかからないものなのですね。
「そういえば」とか、「気付いたら」という表現が多かったりするのですが、鍼灸で体を調整していくうちに、基本的な生命活動が自然と正常に近い状態になっていったのでしょうね。
鍼灸師として年月を重ねると、東洋医学的な鍼灸治療の本来の効果、利点というのは、徐々に病気になりにくい体を作っていくというところにあるような気がしてきます。
実際の医療の現場では、つらい症状を改善していくことはもちろん大切なことですが、それだけではなく、そのつらい症状をできるだけ発症させないように、未然に病気の芽を摘んでおくことも、それ以上に大切なことのように思えます。
このことを東洋医学では「未だ病まざるを治す」といいます。まだ本格的に病気が発症してない状態での体の異常を治してしまうということですね。
実際には体質というか、患者さん一人一人に、五臓六腑のどの生理機能が失調しやすいか、
どこが病みやすいか、というウィークポイントが必ずあります。そのような個人個人の病み方のクセのようなものを把握しておいて、そこを常にフォローしたり、改善していくということを治療の中で行っていきます。
それが病気になりにくい体を作っていくということにもつながってきます。
また東洋医学には、上工(じょうこう)と中工(ちゅうこう)という医者の評価のし方があります。
上工というのは、未病を治す医者のことです。中工というのは、病気が顕著になってから診断を下し治療する医者のことです。
つづく