プチ漢方薬講座 ~生薬の名前の由来編:前編~金子ブログ
こんにちは!豊中市の玄龍堂鍼灸整骨院 鍼灸師金子です。
桂枝、生姜、竜胆草、陳皮、蝉退…、これらは漢方薬に使われる生薬の名前ですが、桂枝はシナモン、生姜はしょうがのことです。ちなみに生の姜に対して乾燥させた乾姜という生薬もあります。竜胆草は植物のリンドウ、陳皮はみかんの皮、蝉退はなんと蝉の抜け殻のことです。
このように、生薬には様々な名称が用いられていますが、命名のされかたは色合いや形状から名付けられたり、味や香りから命名されたものもあります。
中には産地から命名されたものもあります。
中国では各地域によって高品質な生薬が産出されますが、これを道地薬材といいます。
例えば、三国志の時代に呉と呼ばれていた現在の江蘇省一帯では、高品質な茱萸(しゅゆ)という生薬が採れたことから呉茱萸という名で現在に伝わっています。ちなみに、呉服屋の呉服という名称は、この呉の国から伝わってきた服ということから命名されたらしいです。
また、蜀椒(しょくしょう)という生薬がありますが、この蜀というのは同じく三国志の時代の地名で現在の四川省一帯のことです。蜀産の椒が高品質だったのでしょうね。
また、西域からシルクロードを通って伝わってきた椒を胡椒(こしょう)といいます。胡とは西方の異民族を指す言葉で、胡麻(ゴマ)、柴胡(サイコ)、胡桃肉(クルミ)等の生薬にも西域の民族から伝えられたことによる命名がなされています。
つづく