プチ漢方薬講座 ~生薬の名前の由来編:後編~金子ブログ
こんにちは!豊中市の玄龍堂鍼灸整骨院 鍼灸師金子です。
あと、逸話から命名されたものもあります。
婦人病の聖薬といわれる当帰という生薬にはいろいろな逸話があるようです。
その中の一つ、
昔々、身体の弱い娘をもった金持ちの親がいました。親は「娘を健康にしたら、娶らせて後継ぎにする」と呼びかけたそうです。ある若者が、助けた仙人から教えられた薬草を娘に与えつづけたところ、元気な娘になりました。
ところが、若者の身分が気に入らない金持ちの親はお金を与えて遠くに旅立たせてしまいます。若者を愛するようになっていた娘は、悲しみのあまり、石になってしまいました。
人々はこの娘を哀れみ、娘のところに帰ってほしいという思いを込めて、その薬草を当帰(帰るのが当然だ)と呼ぶようになったそうです。
悲しい逸話のある当帰ですが、その後、その名前のとおりに若者が当(まさに)帰るべきところに帰り、娘と幸せに暮らしたと信じたいですね。(石になった娘に帰ってきた若者がキスをしたら元通りになったとかそういう感じかな…)
馴染みの薄い漢方生薬の名前ですが、調べてみるといろいろな興味深い由来があっておもしろいものですね。