プチ東洋医学講座 「喘息と小青竜湯」~症状の直接原因と病気の根本原因~:前編金子ブログ
みなさんは、小青竜湯という漢方薬をご存知でしょうか?
最近は、花粉症によく出されている薬ですが、気管支喘息にもよく使われる薬のひとつです。実際は、呼吸器系に悪い影響を与えている余分な水気を除くための薬で、その作用を応用して喘息の発作に対して使われたりするのですね。
通常、私たちの身体の水分はバランスよく存在して、常に代謝され循環していますが、暴飲暴食や過労、ストレス等の不摂生で水分を代謝させる機能が悪くなると、水分の巡りが悪くなり、体内に湿痰という余分な水分がたまってきます。
この余分な水分が肺に過剰にたまった状態で、寒さや暑さ等の外からの刺激や、さらに暴飲暴食や精神的なストレス等の不摂生が加わると、喘息の発作がおこってしまいます。
このような時に、東洋医学では肺に悪影響を及ぼす水気を除く処置をするのです。
ところで、喘息はご存知のように、直接的には呼吸器系の病気です。実際に呼吸器系に炎症がおこり、それが喘息発作の引きがねになりますし、ステロイドの吸入でその炎症を抑えることによって発作を鎮めることができるのです。
東洋医学でも、直接的には「肺の臓」の病として診立てます。
しかしながら、体を分けて分けられない一つの統一体であるという東洋医学的な認識で病気を診ていくと、呼吸器系の病気だからといって必ずしも、呼吸器のみに原因があり、呼吸器のみを治療していればいいとは言えなくなってくるのです。
具体的に言うと、発作を起こしている時と、発作を起こしていない時とでは、処置のし方が違ってくるのですね。
つまり、発作をおこしている時は、発作を鎮めるために肺の余分な水気を除かなければならないし、発作をおこしていない平常時は、余分な水気がたまってしまうそもそもの原因の方にアプローチしなければならないということなのですね。
つづく