プチ東洋医学講座 「喘息と小青竜湯」~症状の直接原因と病気の根本原因~:中編金子ブログ
東洋医学では、病気を診ていく際に「標」と「本」という捉え方をしていきます。
「標」というのは、病的症状をおこしている直接原因のことをいい、「本」というのは、病気の根本原因のことをいいます。
例えば、前回の喘息でいえば、余分な水気が呼吸器系の機能を阻害して喘息の発作をおこしている状態が「標」です。そして、呼吸器系に悪影響を与える余分な水気を作ってしまうそもそもの原因、すなわち体内の水分代謝の異常が「本」になるのです。
つまり、直接的に症状をおこす原因は、肺にこもった余分な水気だけど、その余分な水気を作ってしまう体内の水分代謝の異常が喘息の根本原因だということですね。
このように、東洋医学では、病気を「標」と「本」という観点から診ていきます。
それから、「標」に対する治療を「標治」、「本」に対する治療を「本治」といいます。
例えば、かぜで熱がでている時に、咳止めや解熱剤を使って、かぜの症状を抑えることが「標」に対する治療で、栄養をとって身体を温めたり、発汗を促したりして自然治癒力を高め、かぜ症状を引き起こすウイルスを死滅させていくことが「本」に対する治療ですね。
木に例えると、枯れている枝葉を切り落とすのが「標」を治すことで、幹や根っこを治すことが「本」を治すことだとも言えますね。
つづく