なるほど!THE.・プチ東洋医学講座 ~『未病を治すために』 その1 気の偏りを正しておく編:前編~金子ブログ
こんにちは 豊中の玄龍堂鍼灸整骨院の金子です。
今回から「未病を治すために」ということで、未病を治すということは実際にはどういうことをすることなのかということを、東洋医学的にできるだけわかりやすく解説してみたいと思います。
未病というのは、ツボや舌や脈を診ると病的な反応が見受けられるけど、まだ実際には病的な症状がでていない状態を指します。
その段階で五臓六腑の異常を正しておくことで、未然に病気を防ぐことを「未病を治す」と表現します。病気になる前に病気を治すということですね。
未病を治すために、東洋医学では、全身を流れる生命エネルギーである気というものを意識していきますが、往々にして、気の流れには偏りがあったりします。
例えば、体を上下左右で分割すると、体の上半身に気の停滞が偏る場合や、左半身に偏る場合があります。全身に流れてはいても、生きていると人生いろいろありますので、様々な精神的葛藤や不摂生の影響で、知らず知らず気の流れに滞りや不足等の偏りが生じてくるのです。ちょうど、水を入れたたらいをどちらかに傾けると、まんべんなくたらいを満たしていた水が、たらいを傾けた方に偏って存在するようになる状態と似ていますね。
実は誰にでもそのような気の偏りはあります。その偏りが軽いものであれば、大した病気はおこりませんが、偏り方の程度がひどくなると、何らかの病気に発展していきます。
例えば、体の上半身の左側に気の偏りの強い人等は、軽いものであれば、左の首肩や背中が凝ったり痛くなったりしやすくなります。また、左側の頭痛や耳鳴りがおこったり、左目の緑内障がおこったり、重い場合は、喘息を患ったり、女性であれば、左側の乳癌をおこしたりすることもありますし、脳卒中の原因になったりもします。
もちろん、それぞれの病気に対しての個々別々の細かいメカニズムというものはありますが、まずは上下左右の気の偏りがある方向に何らかの病気を形成しやすくなるという傾向性が実際にでてきます。
つづく