なるほど!THE.・プチ東洋医学講座 ~『未病を治すために』 その1 気の偏りを正しておく編:中編~金子ブログ
前回は、気の停滞等の偏りがある方向に何らかの病気を形成しやすくなるという傾向性がでてくるということでしたが、その場合、病気を形成する前に(病気を形成した後もですが)、まず気の偏りを正すということを治療によって行なっていくわけです。
以前、60代の女性で、左の背中の強い疼きを訴えてこられた方がいます。さらには頭痛やめまいを起こすこともあり、気管支喘息を持っておられ、乳癌で左の乳房を切除されていました。
東洋医学的に診察すると、上半身の左側に強い気の停滞、つまり偏りが顕著に出ている状態でした。
強い気の偏りがあると、それだけでも背中の疼きや頭痛、めまいの原因にはなり得ますが、そこに余分な湿気や熱等の毒素が停滞してくると、肺や乳房に炎症をおこしたり、腫瘍を形成したりする原因にもなるのです。つまり、気の偏りが重い病気のベースになるということですね。
この方の実際の治療としては、鍼で左上の気の停滞を除いて偏りを正してあげるということで背中の疼きはすぐに消えていきました。
以降、左上の気の偏りを正すということを中心にして、毒素を除いたり、内臓機能の弱りを補ったりしていますが、頭痛、めまい、喘息の症状も落ち着きつつあります。
この場合は未病ではなく、すでに病気を患っている状態ですが、気の偏りを正していくだけでもそれまで辛かったいろいろな症状が改善しているということは、いかに気の偏りがいろんな病気のベースになるかということの証明にもなり得ます。
つづく