プチ東洋医学講座 ~二種類の冷え症の治療と養生:後編~金子ブログ
こんにちは!豊中市の玄龍堂鍼灸整骨院!鍼灸師金子です。
そして結構多いのが、温めるエネルギーはあるのにそれが巡らないことによっておこる冷え症です。
日常で精神的プレッシャーや気の張り、イライラ、ストレス等が慢性的に続くと気を淀みなく巡らす「肝」の機能が停滞してしまい手足末端にまで十分に気が巡らなくなることがあります。つまり全身の血行がすごく悪くなります。
また、精神的ストレスやイライラによって同じく気を身体の上部に持ち上げて全身を緊張状態にもっていく「肝」の機能が慢性的に過剰亢進してしまい、きつい冷えのぼせのような状態になってしまうこともよくあります。
このような、温めるエネルギーが巡らないことによっておこる冷えを「陽厥(ようけつ)」といいます。
症状的には手足の冷えはもちろん、ひどければ「陽虚」と同じくお腹や腰が冷えてきたり、夏でもクーラーの中にいるのはつらいというくらい外気の冷えに敏感になってしまいます。
同じ症状であっても、それをおこす原因に違いがあるのですね。
これは若い方に多く見受けられる原因で、冷え症を訴える方のほとんどが気の流れを滞らせたり、のぼせたりすることによって冷えをおこしています。
この場合、手足末端や体表面に関しては気が巡らないために当然冷えを感じるのですが、生命エネルギーである気自体は十分にあって、逆に体内では内熱という余分な熱がこもっていることもよくあります。
そのような方が冷えるからといって生姜を多量に摂取すると、一時的には温もっても結果として内熱を助長させてしまい、のぼせる、喉が乾く、身体に湿疹がでて痒くなる等の症状をだしてしまうこともありますので注意が必要です。
また、コーヒーや紅茶等のカフェインを多く含む飲み物やニンニクやピーナッツのような気を上に持ち上げる食材もあまりとり過ぎない方がいいでしょう。
よくストレッチをしたり、軽く運動してじわっと発汗させることで停滞しがちな気を巡らせてあげることが必要です。
さらに、気を淀みなく巡らす「肝」の働きを停滞させないように精神的ストレスをため過ぎずできるだけ解消してあげることも大切ですね。
それでもダメなときは、体質と状態に応じて冷え症だけではなく、強い気の停滞によっておこるその他の症状も鍼灸で同時に治療、予防してあげましょう。