プチ東洋医学講座 ~デトックスの鍼(気滞編):前編~金子ブログ
これまで、東洋医学におけるいくつかの邪気のデトックスについて解説してきましたが、今回からは、気の流れが停滞することによっておこる「気滞(きたい)」という邪気のデトックスについて、できるだけわかりやすく解説してみます。
気滞という邪気は、気の流れが停滞するだけで形成される邪気なので、邪気の種類の中でもありふれた邪気です。つまり、程度の差はあっても誰にでもあるものなのです。
かといって、気滞を甘くみることもできないのですね。それはなぜかというと、今まで解説してきた熱邪、湿痰、瘀血等の邪気ができる大元の原因には、まず気の流れの停滞があることが多いからです。
熱邪、湿痰、瘀血等の邪気は、過剰にこもると、比較的重い病気に発展してしまう原因になってしまうことが多々あるのですが、そもそもそれらの邪気が形成される大元の原因は気の流れが滞ってしまうことなのです。
世の中には数多くの病がありますが、東洋医学的にいうと、おおよそ病の始まりは、気の流れが不足したり滞ったりすることに原因が求められるのです。ゆえに、古来よりそのような気の流れが病んだ状態を『病気』と表記してきたのですね。
このように、気滞は誰にでもあるありふれた邪気であると同時に、いろんな病気に発展する土台にもなってしまう邪気なのですね。
(実際には、気の流れの病み方には、気の流れが滞る気滞だけではなく、専門的には気虚、気逆、気陥、気脱等のいろいろな流れの病み方があり、それぞれに病気としての特徴がありますが、デトックス編では、いろいろある気の病み方の中でも、特に気滞を中心に解説していきます。)
つづく