プチ東洋医学講座 ~生理痛と子宮筋腫の治療:前編~金子ブログ
こんにちは!豊中市の玄龍堂鍼灸整骨院!鍼灸師金子です。
最近電車にのっていて、車内に消炎鎮痛剤の広告が張ってあるのをみつけました。女性の生理痛によく効くということでしたが、それだけ生理痛で悩む方が多いということでしょうね。
生理痛は日々の臨床でよく遭遇する症状です。
西洋医学的には月経困難症といって、生理に伴っておこる不快な症状をいいますが、症状的には下腹の痛みや腰の痛みが多いのではないかと思います。
東洋医学では、生理に伴っておこる腹痛や腰痛をそれぞれ経行腹痛、経行腰痛というふうにいいます。
女性は妊娠の準備をするために月に一度、先天的エネルギーである腎気(精力)が盛んになり子宮の活動を活発化させます。それから消化器系統の脾の臓、胃の腑の働きで気血を作り出し、肝の臓の働きで大量の気血を衝脈、任脈という経絡(エネルギーのルート)を介して子宮に送り届けます。
そして、妊娠で気血を使わなかった場合に生理出血として排出するのですが、この一連の生理機能のどこかに異常がおこると生理が遅れたり早くなったり、出血量が増えたり減ったり、生理痛としてのお腹や腰の痛み等の病的症状がでてくることになります。
生理痛にはいろいろな原因がありますが、経験的に一番よく見受けられる原因としては、心理的ストレスによって、五臓六腑における肝の臓の疏泄(そせつ)という気を淀みなく流す作用が停滞して肝の経絡が詰まってしまうことで痛みをおこしているものです。
気の停滞の程度にもよりますが、一般的には気の停滞レベルの生理痛であれば、下腹の痛みであれ腰痛であれ、一見症状がひどくても割に簡単に治ってしまいます。
さらにこの場合は、気の流れの停滞が慢性化することによって血の流れまで滞ってしまい、子宮内に瘀血(おけつ)という毒素を形成してしまうパターンもよく見受けられます。
そして瘀血が形成されると、ひどければ下腹に絞られるような激痛が出たり、夜間は痛みで眠れないというくらい生理痛の程度もきつくなってきます。
電車の広告にあった消炎鎮痛剤もこのような生理痛に対して使われるものなのでしょうね。
確かに痛みを止めることは大切なことですが、実は東洋医学的には本当にそれだけで大丈夫なのかな?と思える部分もあるのです。
つづく