プチ東洋医学講座 ~全身の痒みの治療より~金子ブログ
こんにちは!豊中市の玄龍堂鍼灸整骨院 鍼灸師金子です。
元々喘息を患っていて長年のアレルギー性鼻炎がつらくて来院された60代の女性で、治療を始めて徐々に症状が落ち着いてくると今度は全身に痒みのある湿疹が出てくるということがおこってきました。
病院でありとあらゆる検査を受けても原因がよくわからないということだったそうです。「プチ東洋医学講座~アトピーと喘息の意外な関係~」でも解説しましたが、東洋医学的にいうと呼吸器と皮膚には密接な関係があり、呼吸器の病気がましになったら皮膚に病気が出てきたという場合に、病気が浅いステージに移行してきているというふうに判断することがあります。
こちらの患者さんの場合も、肺にこもっていた熱邪、湿邪等の毒素(邪気)が皮膚に浮いてきたものと診断して処置していきました。ひどい時は痒みで夜もなかなか眠れないという状態でしたが、最近は痒みも大分落ち着いて夜も眠れるようになっているという状態です。
しかし、数十年も呼吸器の病気を患っていたので、邪気を体外に排泄するのはやはり時間がかかりました。
また、同じ60代の喘息を患っている女性で、こちらは患っている期間がまだ数年でもありその他の所見で一見症状はひどくてもこれは治しやすいと判断したところ、わずか数回の治療で毎朝のステロイド吸入を使わなくてもよくなったというくらい良好になりました。もしかしたら湿疹が出てくるかもしれませんが、その場合の治りも良いのではないかと思います。
同じ病名であっても、その人の病気の原因や患ってきた期間、気(生命エネルギー)の充実度合い等によりやはり軽いものと重いものがあるものですね。
ただ、いずれの場合であっても「扶正去邪(ふせいきょじゃ)」といって、生命エネルギーである気の働きを助けて、気の働きを阻害する体の毒素(邪気)を体外に排泄するよう処置していくことに変わりはありません。
長患いしていても、「扶正去邪」することによって少しずつであっても体は良い方向にむいていってくれます。あきらめず、自暴自棄にならず、根気良く養生と治療を続けていってくださいね。