なるほど!THE.・プチ東洋医学講座 ~安産の秘訣!「命門の火」:後編~金子ブログ
東洋医学において、妊娠・出産を円滑に進める基本は命門の火をしっかりさせておくことが大切だということを解説してきました。
確かに命門の火がなかったらそもそも妊娠・出産は不可能なのですが、実際は命門の火の不足だけではなく、気の流れの滞りによっても難産が起こる場合もあるのです。
命門の火がある程度しっかりしているのに不妊だったり、予定日を過ぎても産気づいてなかったり、陣痛が弱かったりするような場合は、東洋医学でいう肝の気の流れが強く滞っていることも多いものです。
強い気の停滞が命門の火というエネルギーや血の流れを阻害するのですね。
また、肝の気の流れに異常がある場合は、悪阻(つわり)がきついこともよく見受けられます。
これは命門の火が不足しておこる妊娠・出産の異常とは真逆の原因ですが、このような場合は、肝の気の流れを中心にして、鍼で気の停滞を散らしたり流したりしていく必要があります。
そうすることで、危険なお産を避けて安産にもっていくことができるのですね。
まとめると、安産のためには命門の火という気(エネルギー)を普段から強くしておくことが必要不可欠でした。このエネルギーがないとそもそも妊娠と出産ができないからですね。
そのためには鍼灸、特にお灸によって命門の火を強くする処置をしていくということでした。それによって流産や難産を避けて安産にしていきます。
また、気の流れの滞りによっても妊娠・出産の異常がおこり得るので、その場合は鍼で気の流れを良くしていくということでしたね。
これらを一言で言うと、必要なエネルギーを充分に高めて、それを滞らないように流しておくということです。
そしてそれは、妊娠・出産に限った秘訣ではなく、健康を維持して病全般を未然に防ぐ秘訣でもあるのですね。
微力ながら、東洋医学でもって、新しい命がこの世に無事生まれてくるお手伝いができるということはすばらしいことだと思います。
安産の秘訣を通して、東洋医学的な健康観に対する理解を少しでも深めていただければ幸いです。