なるほど!THE・プチ東洋医学講座 ~「気」の診方:中編~金子ブログ
こんにちは!豊中市の玄龍堂鍼灸整骨院 鍼灸師金子です。
今回は、「気」の診方 中編です。
まず一つには「望診(ぼうしん)」というのがあります。目で見て患者さんの様子を観察することです。
姿勢や体つきも診ますが、顔面の気色(きしょく)というものをまず診ていきます。気色というのは、少し薄暗い所で浮き上がってくる顔色のようなものです。
ストレスが発散できず気が鬱滞している、消化気系の気の流れが悪い、あるいは泌尿器系の気が不足している等の情報からイライラしているのかな、食べ方が悪いのかな、便秘気味かなとか、睡眠不足かなという推察が望診でできます。
望診の中でも大事なのが舌診といって舌を診ることです。舌の形、色、苔の状態等を診ます。これによって、気の充実具合、消化器系統が弱って体内に余分な湿気や熱がこもってないか、瘀血という血液の流れが悪いことによっておこる毒素がないかどうか内臓における気が正常に働いているかどうかわかります。
ちなみに舌診は東洋医学のレントゲンだといわれます。
それから2つめに「聞診(ぶんしん)」というものがあります。これは声の張り、質、力、呼吸音を聞くことが主となります。
声の質によりどこに異常があるかを把握するということですが、声の質だけでそこまで細かい診断をするのは難しいところです。
実際は声の力や張りのあるなしで気の充実具合を感じるもので、非常に単純で原始的ですが、これが意外と正確にその人の気の充実具合を直感で感じるものなのではないかと思います。
3つめに「問診(もんしん)」です。これは非常に大事です。
通常は初診時に1~2時間くらいの時間をかけて問診していきます。
これは様々な角度から、一見主訴に関係のないようなことも含めていろいろ聞いていきます。その中で病気と体質を探る上で必要な情報とそうでない情報を取捨選択して病の原因を推察していくということを行っていきます。症状そのものの特徴から、どういった環境のどういう精神状態で発症したかあるいは増悪するか緩解するか、それから飲食、大小便の状態、睡眠等の状態、一日の生活スタイル等を詳しく問診していきます。
なぜここまで事細かに聞いていくかというと、症状の特徴や身体の状態というのは気の流れの状態を反映するためです。この問診によって病気の原因と体質が立体的にわかってきます。
そして次に最後の診察法に移ります。これが極めつけ、「切診(せっしん)」といいます。
つづく