プチ東洋医学講座 〜「鍼の効果」枝葉と幹:後編〜金子ブログ
鍼をすると劇的によくなるのか?」という最初の質問に答えるとしたら、体質や病の原因によって劇的に効果を得られやすいものとそうでないものがあるということなのです。
一般的には、病の軽いものであればすぐに効果を実感できますし、急性のもの、患っている期間の短いものの方が治りやすいという傾向性はあると言えます。
逆に、患っている期間が長ければ長いほど効果を感じるには時間がかかる傾向性があるでしょう。
しかしながら、仮に短期的に劇的な変化がおこらなくても、例えば、かぜをひきやすかった人がかぜをひきにくくなったり、毎日していたステロイド吸入をしなくても大丈夫になったり、梅雨時分の全身倦怠感が解消したり、胃の調子がよくなったり、便通がよくなってきたり、皮膚の湿疹が軽減してきたり、胸痛の発作回数が軽減してきたりするというのは、劇的に何らかの症状を消失させることとはまた違った価値があるのではないでしょうか。
鍼は生命エネルギーの流れを調整することで体の幹や根っこの状態を整えていきますので、長期的にみれば、体調のよい状態をつくっていくということが付加価値としてあげられます。
鍼灸治療を受けていて、以前との体調の変化を感じている方のお話を聞いていると、長期的にみれば劇的に良くなっていることも珍しくないということだと思います。