なるほど!THE.・プチ東洋医学講座 ~『未病を治すために』 その3 先天後天の気を守る編:前編~金子ブログ
前回まで未病を治すために大切なことについて解説してみました。それは気の偏りを治しておくことが一つと、もう一つは邪気を排泄しておくことでした。
今回から「未病を治すために」その3ですが、実は未病を治すためにはもう一つ大切なことがあります。
それは、「先天の気」と「後天の気」を守ること、あるいは養うということです。
ここで先天後天の気の説明に入る前に、まずは簡単に「気」についておさらいしてみますね。
そもそも、東洋思想では気のことを「万物を構成する最小単位」と考えます。人間の体も含めて、自然界の全ての物は気から構成され、全ての事象は気の運動変化によって生じると考えるのです。例えば、季節の移ろいや自然界の生物の成長、衰退、枯死等の出来事は気の運動変化によっておこるのだということです。
また「気とは形而上のものから形而下のものにならしめる最小の単位」ともいわれます。少し難しいですが、「気とは物質として認識できるものとできないものの境界あたりのものであり、尚且つそれ自体がエネルギーを有しているもの」というくらいの意味です。
最先端の物理科学では、素粒子が物質を構成する最小の単位とされていますが、素粒子は周囲の環境次第で物質的存在からエネルギー的存在、あるいはその逆に変質することができるという性質を持っているそうですから、そのような最先端の科学で明らかになってきたことが、東洋思想でいう気とリンクしてくるところになるのではないかと思われます。
そして東洋医学では、気というのは「人体を構成して生命活動を維持する最も基本的なエネルギー」であるとされます。気というエネルギー的存在が集って人体を構成し、そのエネルギー的存在が全身くまなく巡ることによって内臓が働き、血液の循環、飲食物の消化吸収、新陳代謝、排泄等の生理活動がなされるということです。
つまり、気というのは目で見たり数値化することはできませんが、体を構成し尚且つ内臓を働かせている生命エネルギーだというふうに考えてください。
気については、なんとなくおわかりいただけましたでしょうか。
東洋医学ではその生命エネルギーを、先天的に持っているものと、生まれた後に後天的に得られるものとに分けて捉えているのです。どちらも気であることにかわりはないのですが、生まれる時に先天的に持っている気を「先天の気」、後天的に得られる気を「後天の気」と呼称します。
つづく