プチ東洋医学講座 ~坐骨神経痛の治療より~金子ブログ
こんにちは!豊中市の玄龍堂鍼灸整骨院 鍼灸師金子です。
先日、病院で坐骨神経痛と診断された足が痛くて歩けないという60代の男性の方が杖をついて足をひきずって来院されました。
足に体重をかけると痛みが走るため、足をひきずってしか歩けない状態でした。
診察してみると、心理的ストレスによって肝の臓と胆の腑に関係する経絡の気の流れが滞っている状態であると診断できたので、「肝兪」という背中のツボと「百会」という頭のツボの2箇所に鍼を打って治療したところ、まだ状態がこじれていなかったため、その場で足の痛みがやわらいで普通に近い状態で歩けるようになりました。
足が痛いのに足に鍼を打たないということに驚かれるかもしれませんが、東洋医学では人間の身体を、内臓や筋肉、骨等のパーツの集りという捉え方はせず、分けて分けることのできない一つのものとして捉えます。
つまり、頭のてっぺんと足のつま先はつながっているし、皮膚表面と内臓機能もつながっていますよということです。だから、内臓の異常が皮膚表面に現れたり、足の異常が頭や背中に現れたりするのですね。
これを素直に病気の治療に応用していくのが鍼灸です。そうすると、皮膚表面から内蔵機能に働きかけることが可能になるし、頭のツボで足の機能を調整することもできるようになるわけです。
人間の身体を分けられない一つの有機体として認識して、問題のおこった局所だけではなく、病気をトータルで診ていく理論が体系化されているということが東洋医学のよいところであり、それが病院とは別の視点からの病気の診立てと治療を可能にしているということなのですね。