プチ東洋医学講座 「アレルギーと便通:中編」~便秘と下剤~金子ブログ
実は、東洋医学の治療では排泄を非常に重視します。
例えばアトピー等の皮膚病でも、便秘をしていると治りにくいのです。ゆえに、原因に応じて便を通じさせる処置を行ないます。また発熱に対しても、発熱の状況に応じて便を下す処置をすることで治すことがあります。
しかし、ここで間違えやすいのは、ただ単に便を出すために下剤を飲めばいいかというとそうではありません。
下剤は胃腸の気を損なうのです。ゆえに、使いつづけるとやがて薬が効かなくなってさらに強い薬を使い、それでもまたでなくなってしまうという悪循環をおこします。
東洋医学的には、便がでない原因というのはいろいろあって、なんでも下せばいいかというとそうでもありません。
下すべきものは下さなければならないのですが、そうでない場合も多いのです。
ところが、下すべきでないと思われる人が下剤を常用している場合が多々見うけられます。
例えば、便秘の原因の中には陰虚といって、腸を潤すことができないために便が硬く乾燥して便秘になるというものがあります。この場合は下剤を毎日使いつづけてはいけません。
下すことによって胃腸の気を損ない、陰虚を助長してしまうからです。時々使うのはかまいませんが、常習性がでてくると、結局は下剤の効きが悪くなってくるという悪循環がおこってくるのです。
このような場合は、陰虚という状態を改善していく処置が必要なのですが、実はそのような方に胃腸を潤す植物性の油が有効なことが多いのですね。
その他、はちみつやアボカド等の食材が良いのですが、養生として継続していくことを考えると、やはり植物油を少量摂取する方が手軽で継続しやすいように思われます。
つづく